砦

タイトル:砦-入口、路、橋
title   :Fortress-Entrance,Way,Bridge
発表年 :2010
備考  :博士課程修了制作



3点のガラス作品と、1点の論文によって構成された作品群。

5年間過ごした東京藝術大学の取手校地が、要塞と似ていると思ったことからできた作品。
(もちろん、取手と砦をかけているよ)

砦の入口を発見し中に入り、さまよいながら進むべき方向を探し、最後に砦を出てゆくという、一連の時間の流れを意識して造形している。

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入口

タイトル:入口
title   :Entrance
サイズ :幅66×奥行66×高36cm
重量  :37kg
素材  :フロートガラス
制作技法:鋳造、スランピング
発表年 :2010
備考  :第4回現代ガラス大賞展・富山2011優秀賞



ある木陰に、異質なもの、具体的には知らない場所へ続く入り口が存在するような、静寂で少しひんやりとした雰囲気を感じた。

好奇心と恐怖心が入り交じった気持ちになり、ひっそりと森の中に遺る古井戸のような形が思い浮かんだ。

円筒形の井戸のような形で、内側は1滴のしずくが落ちた水面のようになっている。


路

タイトル:路
title   :Way
サイズ :幅400×奥行10×高24cm
素材  :フロートガラス
     ステンレス
制作技法:鋳造
発表年 :2010



暖かい風が強く吹く夜、流れる雲と星空を見上げていたとき、周りがざわめくような雰囲気を感じた。

何か楽しみなことが起こる前の期待のような、興奮気味で落ち着かない気もちになり、まるで飛行機がいくつもの厚い雲を通りぬけて行くように、連なる塊の中を1つの軌跡通っている形が思い浮かんだ。
この軌跡を、一筋の路だと思った。

壁面設置作品。
ガラス背面のステンレス製金具によって、壁に取り付けられるようになっている。


橋

タイトル:橋
title   :Bridge
サイズ :幅66×奥行66×高250cm
素材  :フロートガラス、鉄
制作技法:鋳造、スランピング
発表年 :2010


夕方、4階のアトリエから利根川を眺めていたとき、あたたかく穏やかでゆったりとした雰囲気を感じた。

夕日の光を反射し風を受けながら、川を飛び越えるような気持ちになった。高い塔のような橋台から、虹のように放物線を描く橋板を架けて、外の世界に繋がろうとする形が思い浮かんだ。

構造は、ブロック状のガラスを積み上げ、板状のガラスを挿している。
中心に鉄の支柱があり、全てのガラスパーツは支柱によって固定されている。